2014年5月18日日曜日

SAJの教程に期待するもの

友人であるKNJさんがまとめた「未だに「内脚主導」や「自然で楽なスキー」にもいいところがあったなどという人がいる理由」を読みつつ、スキー教程に期待することを好き放題に書いてみます。

スキー教程なるものの役割が、初心者を上級者に導く物だと考えた場合、そこにはスキーの技術的なゴールとそこに至る筋道を明解に示ししてほしいです。すなわち、「目標となるスキー技術」と「目標にたどり着くための道筋(練習方法)」の二つです。

「目標となるスキー技術」
教程に書くべき、「目標となるスキー技術」は、スキーの基礎となる技術とするべきでしょう。
ここでいう基礎は、「基礎スキー」をさす固有名詞ではなく、バックカントリーとかフリースタイルやクロスやモーグルやアルペンなどを応用として捕らえた場合、これらどれにでもつながる土台となるようなベーシックな技術のあつまりをさします。これを「スキーの基礎」と表現しました。どのような応用にも通じる強固な基礎技術であれば、そういった応用を目指さない人も含めたあらゆる人に役に立つはずです。これに異論のある方はいないと思います。

この土台となる基礎となる技術がどんなものなのかを教程には明解に示してもらいたいです。

となると、ここにはSAJオリジナルの「○○理論」などが出てくる余地はありません。
なぜなら同じ物理法則に支配された地球の雪面の上で、同じような道具を使って滑っているのですから、日本でだけ特別なことが必要になることはありません。応用部分のごくごく先鋭的な部分を除けば、スキーの技術は全世界共通です。

もちろん変化も緩やかで1,2年程度では変わりません。10年単位ぐらいで振り返ったときに変化がやっと見える程度のはずです。


「目標にたどり着くための道筋(練習方法)」
「目標にたどり着くための道筋(練習方法)」は、「目標となるスキー技術」を身につけるためにはどんな練習を積み上げていけばいいのか、その指導方法を見せるところです。

ここは、物理法則に縛られたスキー技術と違って、指導方法論なので個性の表れる部分です。
日本人のレジャーの特性(短期宿泊型や日帰りがおおい)や客層(シニアもいればジュニアもいる)を反映したSAJオリジナルの方法論がまとめられていたりすると読む側も興味がつきません。

たとえば、各地のスクールでの工夫やどこかの大学で研究した成果をもとに、それぞれ個別の方法論があってもおかしくないですし、数年ごとに現場ノウハウを吸い上げて工夫が反映されたりするのなら定期的な改訂も有意義だと思います。

スキーの楽しさを実感しながら、効率よく上達する方法が書かれていることが望まれ、まさに教程執筆者の手腕が問われるところです。
しかし、これがないとすると逆にお寒い感じです。


と、大別してこんな2つの内容が教程に書かれていることを期待しています。
これらはまぜこぜにせずに、分けて整理することがわかりやすさのためのポイントだと思います。


たまに読む基礎スキーの雑誌記事は、「目標となるスキー技術」と「目標にたどり着くための道筋(練習方法)」の二つが混ざっている物が散見され、残念な感じです。もちろん、そんな整理のついていない記事の内容は記憶にも残りません。

また、現場の教師がわかりやすく大袈裟に動いて見本を示すことはよいとは思うのですが、習っている側(特に指導員検定や準指導員検定の受検者以外の人)までもが「谷回りを長く見せる」などの「演技」をするのはおかしいですよね。だって、教えている側は演技を真似してほしいわけじゃないのですから。

でも、「演技」が常態化しているため、レッスンを受けているスキーヤーからは本当の目指すべき技術が見えなくなっているとも言えます。なので、「目標とするスキー技術」を実技で見せる際には、「演技」なんて抜きにシンプルに滑っている様子を普段は見せてほしいです。
「演技」はここぞという時に切り札として出さないと効果がありませんよね。

そういう意味で、カナダのCSCF World20xxシリーズは秀逸です。レーサーが丁寧に基礎練習している風景のうち、教科書となり得るもの(カメラアングル的にわかりやすく撮れた、というのもあると思います)を抜き取ってまとめているので。

SAJの教程でも「演技抜き」のシンプルな滑りをまとめた教材を作ってほしいところです。

4 件のコメント:

KNJ さんのコメント...

World 200Xの良かったのは、滑りを見せる時には一切の解説が入っておらず、技術的な説明はtech talkでまとめて語っていてくれたことですね。
必死で訳しましたぜ。

最近のtech talkは、選手のインタビューとかが主体になって、技術的な話は少なくなってしまっていましたね。

その代り?、snow star programとかwindows of opportunity なんかの、ジュニア向けプログラムでは、一つ一つの練習種目に対して、一生懸命解説してくれてますね。

kaizo さんのコメント...

滑りに解説をいれないは、先入観無しに見ることができるというのもありますし、滑りを見ることに集中させるという意味もあるのでしょうね。

とにもかくにもCSCF/CSIAはプログラムの量も質もすごいレベルですね。どうやると伝わるか、作ったコンテンツが育成にどう貢献できるのか?という整理と工夫がされていると感じます。

kaizo さんのコメント...

補足:
文章の言葉の並び上、わかりにくくなるので応用を「バックカントリーとかフリースタイルやクロスやモーグルやアルペンなど」としましたが、この「など」に含まれる代表例は、基礎スキーでの指導員・準指導員検定につながる「指導者」というテーマで有り、クラウン・テクニカルにつながる「スペシャリスト(今、勝手に名付けました)」というテーマなんだと思います。

1級になったときに、急斜面もコブも新雪・深雪もアイスバーンも一通り滑れます、なんて具合になっていれば、どのテーマにも自由に取り組めますよね。

KNJ さんのコメント...

>1級になったときに、急斜面もコブも新
>雪・深雪もアイスバーンも一通り滑れ
>ます、なんて具合になっていれば、

昔は、それに近い感じだったのですがね。私自身、車山のビーナスコースの硬い斜面でショートターンが決まった時、「今年は受かる」と確信しましたもん。あの年は、八海山のスクールで深雪(湿雪)、コブ斜面なんかも、なんとかこなしてたし。