2016年8月29日月曜日

スキーブーツR&Dのスペシャルコースで作ってみた(その8)誤字修正

「スキーブーツR&Dのスペシャルコースで作ってみた」の(その8)です。

「やっとわかってきたから、さぁ定着化だ!」
と意気込んだものの、スケジュールがなかなか確保でき無いことに加え、暖冬でどんどん雪が溶けてスキー上はどんどんクローズしていきました。
結局、このあと滑れたのは3月にSOARキャンプ日帰り、ドイツで2日、丸沼で半日。合計2.5日くらい。このうち、落ち着いてフリースキーができたのは丸沼の半日のみ。

滑り込んでいけば頭で考えて作った極端な動きが、実際の運動にあわせて馴染んでくると言うか、考えないでも動ける様になるはずだったのですが、そこまでたどりつけまえんでした。

実際足の伸ばし具合はどんな感じで加減するのか?なんてあたりを探っていきたいところでしたが、来シーズンに持ち越しです。



この動画はだいぶ雪が緩んだ後のもので、ハイシーズンのようには動けていません。でも、自分の感想としてはまずは「こんなところかな」という感じです。
「こんなものなの?」
と期待外れに思う方もいるでしょうが、道具だけでは滑りはよくならないですし、焦って空回りした分、滑りを仕上げていく時間は足りませんでした。あくまで上達は本人次第なのであります。実際に確認した私が言うのでそこは間違いありません(苦笑)


それでも昔からの疑問が解消したり、今まで感じたことがない感覚が得られたりしました。「そういうことだったのか!」と「理解できた」というのは大きな収穫でブーツのおかげです。スペシャルコースのブーツが、スキーをわかりやすく簡単にしてくれることは確かです。

私としては、これからどういう方向に練習していくのか等、新しい目標も見えたので大満足です。来シーズンどうなるのかが自分でも楽しみです。
私の一進一退をここに記録することは続けていくので、「スペシャルコースにして、あいつは結局どうなったんだ?」という興味がある方は、また見ていただければと思います。

また、読んでいてもうお気づきでしょうが、私はちょっと偏屈な楽しみ方(つまりはブーツおたく、道具おたくですし、難しい道具を乗りこなしてどうにかしたいという願望がが強い)をしているので、スペシャルコースでの王道の本当のどまんなかの体験談とはなっていません。山本さんの推奨どおりにブーツも150じゃなくて130にするとか、練習も道具になじむところから計画的に滑っていたりすれば、もっとあっさりブーツの良さを感じることができるのであろうと想像します。
最初に作ったベーシックコースではほとんどリクエストを出さずに、山本さんの提案通りにしていましたが、もちろんそれでいい結果が出ました。希有な技術を持った人のサービスなので、素人が余計な口を出さない、というのも一つの利用の仕方なのだと思います。

私の様にあれこれリクエストして決めるのか、それともフルコースでお任せにするのか、ここでどう舵を切るかは実際にスペシャルコースをオーダーする人が選択できる一番の楽しみだと私は思うので、各自の戦略を決めてからのぞめばそれでいいものだと思っています。費用的にはかなりの覚悟が必要ですが、そういうことが好きな人には、自分で望んだ物が提供される、という喜びが得られるとても贅沢なコースだと思います。

素人の余計な口出しなのか、オーナーの適切なリクエストになるのかは、カウンセリングで詰めていくのがいいと思います。そういうコミュニケーションが面倒な人は、動画をたくさん持ち込んでそれをベースに作ってもらうのがいいのでしょうね。

どちらにせよ、もし、スペシャルコースにするのであれば、オフの間にじっくり時間をかけてやっていくことをお勧めします。
そうすれば、「それは滑りで解決する物」とか「それはまさにブーツで解決する物」と切り分けもできますし、もしかしたら「ここまで費用をかける必要は無い。これはいらない」という判断をすることもあるかもしれません。費用的にももちろん、内容的にも慌てて作る類いの物ではありませんので。

さてさてネタはまだまだいくらでもあるのですが、そろそろ息切れしてきました。
元々、「スキーブーツR&Dのスペシャルコースで作ってみた(その0)」で、

「2015/2016シーズンに向けて、私はスキーブーツR&Dのスペシャルコースでブーツを作ってみました。「ATOMIC STIからRedSterに乗り換えてみた」と同様に、本当は、私がスペシャルコースを選ぶ前に誰かの書いたレポートを読みたかったのですが、発見できず。とりあえず、私の分を書いてみることにしました。」

と書いたのですが、はたして私は、「スペシャルコースを選ぶ前に読みたかったもの」に相当する物を書けたのですかねぇ。

まだ何か思いついたら書き足していきます。

2016年8月23日火曜日

気持ちよさそう。いつかはNZで。

夏にスキーをしたことはないですが、いつかはNZでも行って滑りたいですね。

気持ちよさそう。



友人の某氏がこの夏もNZに行き、Reillyさんとも一緒に滑っているところを動画に納めてもらっていてうらやましかったです。でも、いざ時間とお金ができたとしたら、レーシングキャンプに行きたいなぁ。基本練習みっちりやりたい。

翔さん、オレの時間とお金に都合がつく頃まで、NZキャンプ続けて下さい。よろしくね!

スキーブーツR&Dのスペシャルコースで作ってみた(その7)

新しいブーツで何を発見したのか、というお話し。の続き。

1日目は自分としてはなかなか満足のいく発見が得られました。その時の動画を見ながらあれこれ考えていたら、この感触を忘れないうちに早く滑らなくてはと焦ってきて、週末を待たずに木曜日の祝日に無理矢理KNJさんを連れ出して日帰りで滑りに行きました。

この日のオオマツは、苗場のWCupを週末に控えているせいか、ゲレンデはがらがら。そして快晴。
もっと雪が硬ければよかったけど、あれだけゲレンデが空いていればそれを補ってあまりある十分美味しい条件でした。あとから気がついたのですが、実はポールバーンとその他のコースでコース整備のやり方が違っていたんですね。ポール練習後の沢コースを滑って見たらカチカチで気持ちよかったです。さすが菅平。


■2日目(2016/02/11)
この日は1日目につかんだ山回りの感覚をベースに、切替えの意識を変えてみようとテーマ設定。
本当は山回りの定着化の方が先なのでしょうが、わかり始めてきたらもう好奇心に負けて切替えのやり方を探りに行くことにしました。

ターン中には足を伸ばして使っているので、
切替えでは、
膝を伸ばしたまま単純に傾きを戻すか、
膝を曲げて雪面からの重心の高さをあまり変えないで切り替えるか、
という選択肢になってきます。
単純な動作の前者の場合はもちろん、ちょっと動きが複雑になる後者であっても、ターン中の足を伸ばして雪面を捕らえる感覚は変えずに滑りを組み立てたいところです。そのあたりの感覚を確認して行くことにしました。

まずは単純な重心を高く保ついわゆるストレッチっぽい切替えから始めました。自分から外向を作ったりしないで前回同様歩くようなイメージで滑ります。

自分の癖を矯正するために意識しているのは、ターン中に外腕を前に出してスキーの向きと胸の向きを合わせながら滑ること。そして外腕の位置です。腕は足よりいじりやすいので、腕の動きから連動させて全体の動きをよくしていこうという作戦です。
あくまで理想は高くLigetyなイメージで。ただし、傾きの量は斜面の硬さ、斜度、スピード、ターン弧、そして私の技量にあわせて現実的なところで。傾きの量だけは形から入っても意味が無いので。(と、言い訳のようですが、まじめにそう思っていますよ)

Ligetyの腕の位置に着目した


まだ、スラローム的な早い動きはできませんが、ミドルターンでつないでいくとスキーがターン中に良く滑る感触があります。なかなか気持ちがいい。これはある程度予想通り。
これも動画無いなぁ。滑るのが楽しくて撮っていませんでした。

そろそろ動画を撮るかと、名カメラマンKNJさんに撮ってもらいました。
ベンディング的な動きはちょっと複雑なのでもう少し後でと思っていたのですが、ホワイトピークコースで滑り出したら、雪面がもこもこと荒れていたのと、短いSLスキーでうっかりそこそこのスピードも出してしまったので、必要に駆られてベンディング的な動きを使い始めました。



動画を見ると、切替えを意識しすぎてターン中の動きが雑になってしまいましたが、自分としてはベンディング的な動きをやっと理解できた記念すべき滑りです。もちろん今までもなんとなくやっていたのですが、初めて理解したという感じです。

この動画から起こした連続写真でいうと、2コマ目の動き方に、自分としてはいくつか「わかった!」というポイントが有りました。
できる人からすると当たり前なんだとは思いますが、自分としてはここに発見がありました。


発見1:ベンディングは、小さくなると言うよりターン中に突っ張っていた体を緩めるぐらいでも成り立つ。

私は半月板に水平断裂があったり、過去の大転倒で側副靱帯を伸ばしていたりして、膝に負荷のかかる滑りができません。なので、ベンディングだからといって、腰掛けるほど無理矢理小さくなるのは受け入れがたいと思っていたのですが、軽めのベンディングというのが今までぴんときていませんでした。

というのも、今までのブーツでターン中に荷重を上手く受け止められるポジション自体が案外膝が曲がった状態だったので、そこからさらに膝を曲げると、既にかなり深い角度まで膝を曲げる必要が出てきます。軽めにやってみたいんだけど、すぐにこんなに苦しくなるまで曲げるっておかしくないか?という疑問がありました。

しかし、今度のブーツではターン中はかなりしっかり膝が伸びているので、切替えで膝を曲げる量がそれほど多くなくても、ターン中に比べるとしっかり膝を曲げていることになるので、感覚的には緩める程度でもリズムが取れます。つまり全力のベンディングじゃなくて軽いベンディングという動きができて、それでもターンできるということが理解できました。


発見2:ベンディングで膝を曲げるとき、思ったより足首は曲げない。

自分ではそれほど固執しているつもりはありませんでしたが、昔から、
「足首を前に入れてスネをブーツのタンに押しつけるように」
なんて言われていたので膝を曲げて姿勢を低くするときは、足首をぐっと前に入れて腰の位置が後ろに行かないようにと無意識にがんばっていました。

しかし、切替えではほとんど外力がないので、ブーツをつぶす力は、基本的に自分の体重と筋力です。ブーツのフレックスが高めなこともあって、足首を前に入れようとぐいぐい押してもブーツに押し戻されてしまいます。
「あれ?なんか無理筋なことをがんばっているのかな?」
とふと気がつき、ブーツの前傾角を自分から曲げに行く意識はなくし、膝を曲げて腰が後ろに移動した分は、頭が前にくれば相殺されると考えて、上半身の前傾を少し強くしてみました。
感覚的には、上体が起きると置いて行かれるので、そうならないようにあらかじめ股関節から前傾するぐらいの感覚です。

すると、足首が伸びたまま(実際には前に動いていますが)でも、スキーの真ん中のポジションが維持して切替えができます。

なるほど。これアリだな、と。

と、同時にブーツの硬さに対する評価が一気に変わりました。
外力がかかる時は足首を伸ばし、外力がかからないところで足首を曲げる。
つまり、どのフェーズでもぐにゅっとは足首は曲がらない物だと再認識したら、無理に足首を入れて押し返されることもなくなり、安定して滑れるようになりました。1月までは「150失敗だったかなぁ」とうんうん悩まされていましたが、今滑っている感覚として、ブーツが硬いと思うことは一切ありません。
逆に足首を伸ばして、ブーツの前傾を起こす様な力を加えると、ブーツの後ろ側がぴんと張って力を支えるので、もっと柔らかいブーツでもいいのかな?なんて買うときの悩みと真逆な考えにも興味を持つようになりました。でも、この感覚はまだよく分からないです。もっと硬いところで滑り込めば何かが分かるのかも知れません。

<蛇足>
今までドーベルマンみたいに足首の稼働範囲が小さいブーツにはちょっと不安があったのですが、もう問題無くいける様な気がしてきました。
</蛇足>

発見3:先行動作は首から上だけ
ポールに入らなくたって自分の通るラインはあらかじめ確認しておきたいところですが、スキーの向きと胸の向きを合わせて滑るので、視界が制限されてしまいます。LigetyやShiffrinはどうしているのだろうとYoutubeの動画を見てみると、頭だけ、視線だけがきっちり先行しています。

なるほどそういうことなのか。さっそくこれを真似しよう、と思って滑ると、なるほどテンポがいい。

ただ、これが一番今までの癖が抜けなくてついつい上半身を外に向けるというか、内肩を前に入れたくなってしまう(何時代の滑りだ。レーキャンでみる若い子は誰もやってない。。。)ところですね。

出来上がるターン弧の大きさと自分の予想しているターン弧の大きさのギャップが解消していないので、無意識に「もっと回したい」と思って余計な動きをしてしまうのかも知れません。厳密に言えば、出来上がるターン弧のラインも今までと違う気がしますし。これを慣らしていくのは今後の課題です。

発見4:視界が安定する
昔から、SLでラインを正確にコントロールして滑るコツは、頭を揺らさないことだと思っていたので、非常に重視していました。視界が安定していればその分、揺れを補正しなくて良くなるので、ラインを考える時間が増えますので。

滑り方をいじり初めてから、どうにも回りがよく見えている様な気がしていたのですが、荷物をしょって滑って確信しました。この滑り方、頭や上半身が揺れない。

視界が安定するのも気のせいじゃない。今まで見えなかった物が識別できるし、視野角も広くなった気がする。これは怖さがなくていいですね。


という感じで、確認すればするほど何かを発見し、驚きの連続でした。

ちなみに、このページの動画をじっくり見ると、ベンディングでの沈み込みの量をいろいろ試しているのが読み取れるかも知れません。これくらい曲げるとどうなるのかな?と実験しています。

この後もこんな調子でいろいろ試しながら滑り込んで様子を見たり、GSスキーに戻してみたりしながらいろいろと確認をするのでありました。、16時以降の練習の終わった硬い沢コースで滑ったりもしたのですが、やっぱり硬いコースの方が道具の挙動はわかりやすいですね。硬いコースはやっぱり楽しい。

もうこれだけ分かれば、手を広げるよりもまずはこの2回で感じた新しい感覚を自分自身に定着させることが大事だな、と考えて、次回は定着化だなと思いながらゲレンデを後にしました。

ということで、2日目終了デス。

2016年8月21日日曜日

スキーブーツR&Dのスペシャルコースで作ってみた(その6)

新しいブーツで何を発見したのか、というお話し。

「発見」をキーワードに書こうと思ったのですが、当時のメモをみながら書いてみたら「驚いた」となってしまったので、そこが「発見」だと思って読んで下さい。

残念ながらスペシャルコースといえど、ブーツを変えただけで劇的に滑りが変わるなんてことは無いですし、使い方(=滑り方)を間違っていればかえって悪くもなります。
滑りを変えたいのであれば、道具の違いを丁寧に感じとり、頭を使って変えるべき動きを具体的に考えて、そして考えた動きを実際に試してみる、というステップを繰り返す必要があります。いろいろ面倒ですが、もう子供のころの様な直感でわかる年齢をとっくに通り過ぎてしまった私にはこういうプロセスが必要です。

実際には感じるだけじゃなくて、ビデオを使ったり、静止画を重ねてみたりして客観的にも見ていくので、観察して、考察して、仮説を立てて検証する、を繰り返すという感じです。
長い前置きですが、昨シーズンを振り返ると自分自身へのメモとしてはこれが一番重要なんで、書いておきました。

そういう肝心なことができずに右往左往した様は過去のblogにあるので興味のある方はそちらをどうぞ。
私自身が読み返しても
「全然分かってないなぁ、当時のオレ」
と思って恥ずかしくなるのですが、それもblogの楽しみの一つかと思って消さずに残してあります。


そんなわけで仕切り直して、観察、考察、検証を順番に繰り返してみたら次々と霧が晴れた感じでした。

意図して滑りをいじったのは2日ばかりあるのですが、まずはその1日目。
この2日で全てわかったというより、いったんそこまででいろいろ理解できたので、手を広げるより定着化させることに舵をきったので2日になったという感じです。

■1日目(2016/02/08)
頭の中を出発点に戻します。
今回の出発点は「膝をもっと伸ばしたポジションを取りたい。」というものでした。
それによって「高い姿勢で体重を骨格で支えてスキーの真ん中に乗れば、より簡単にスキーをたわませられるはず」と思いえがいたのですからこの感覚から確認していきます。

その初日となるこの日のテーマは「とにかく山回りの感触をつかむ」と言うことに絞りました。切替えとか谷回りといった他のことはいったん保留です。上に抜けようが何だろうが、とにかく気持ちいい山回りの滑り方を探すことに専念しました。
具体的には、
「スキーと胸の向きを正対させて過剰な外向を作らない」
「高い姿勢で軸を作って骨格で外足に力を伝える。」
みたいなことを考えて滑ってみました。

まずはフリースキーです。
斜面はフラットで硬いところ、斜度はスピードを出しても怖さを感じない程度の中斜面で、真っ直ぐ滑り出し、ぎゅーんと山回りで切り上がります。
とにかく意識を山回りに集中させるために余計なことは考えないで、単純に山回りを繰り返すところから再確認します。切替えも谷回りも外向とかもまだ考えません。ターン弧の振り幅も落差も考えません。知りたいのはスキーなり、ブーツなりに滑るとどうなるのかということです。背筋を伸ばしてできるだけ高い姿勢で、歩き出すのと同じような動きで、内側の足を前に出せば外側の手が前に出る、ぐらいの感覚で滑り出しました。

すると驚いたことに、1ターン目からもう違います。188cmのGSスキーが過去経験したことがないほどにしっかりたわんでグリップしてぐいぐい回ります。そして安定しているのにスピードもぐんぐんあがります。

GSスキーってR>30でもこんなに回るんだ!
まるでSLスキーみたいじゃないか!

と思いながら興奮して滑りました。

なんでこんなに違うんだ?と意識して観察してみると、スキーのたわみ方が違うことに気がつきました。今までも、少なくとも自分で得意だと思っていたSLスキーではしっかりたわませているつもりでしたが、この感触と比べれば今までのたわみ方なんてトップ側がくいこんでテール側がスリップしていただけでした。
テール側も含めてスキー全体がたわむってこういうことなのか!ということに驚きました。
(トップを使う感覚はあったので、それに対する相対的な表現としてこんな風になりました。特にテールを重視しているワケではありません。前置き無く説明するなら「トップからテールまで全体がたわむってこういうことなのか」という感じですね。)

再掲です。これを体感しました。

もちろん「スキーをトップからテールまで全体をたわませる」なんてことは文字では知っていましたが、このレベルで体感したのはこれが初めて、という驚きです。

たった一本滑っただけなのに驚いてばかりです。

次に2本目。
1本目で良かった山回りの感触をベースに姿勢というか、上半身の置き所を探ります。
上半身は思ったより被せて丁度いいみたいなんて書いてみたのですが、実はそう書いたあとも自分自身で半信半疑でだったので、これを確認します。
さっきはあまり考えないであるがままに滑りましたが、今度は上半身の置き場所をどこにするべきかを考えながら滑ります。
しかし、1ターンするだけで答えが見えてきて、2ターン目には確信に変わりました。
やっぱり、頭から背筋を伸ばして足裏までどんと体重がのるポジションで素直に傾けるだけの動きの方が効率がいいんです。圧倒的に体が楽ですし、スキーにもよく力が伝わってしっかりたわみます。
とういことで、上半身は思ったより被せて丁度いいみたいと書いてはみたものの、これもやめることにしました。
やっぱり前後に軸を折って効率がいいわけがない、と書いてみれば当たり前の結論に。

蛇足ですが、完全に股関節からの前傾をしないのではなく、必要な分は前傾します。自分の今まで思っていた角度よりは曲げない、という相対的表現です。

次に3本目。
さらに次のステップに進みます。
山回りの感触もつかめてきたのでもう一工夫。山回りでターンを最後までしっかり仕上げることを意識しました。
いつも「早いタイミングでターンに入り、早いタイミングでターンを終えたい」と思っていましたが、そういう高度なことよりも、まずは基本に忠実に「ターンの終わりまでしっかりスキーをたわませる」ことを優先して感触を確認します。

すると、スキーの動きがさらに変わりました。
ターンを最後まで仕上げようとすると、ぐいぐいとスキーが回って、感覚的には外スキーが山を登っていくような感じがします。
やれていることのレベルはともかく、感覚的にはTed Ligetyの山回り(修正)に書いたような感じです。こうなるとクロスオーバーが簡単にできて、あまり難しいことを考えないでも次のターンに入れます

もしかして切替えって思ったより簡単なのか?
これだけタイミング良く、スキーと体の位置が切り替わるなら谷回りだって簡単だぞ?

今まで思い込んでいた物と違うことが次々と感じられて、どんどん気持ちよく滑れるようになってきました。あぁ、誰かにこのフリースキーの姿をビデオに撮ってほしい、、、。そう思ったのですがこの滑りは何も残ってないんですよねぇ。残念。

本当はもっと丁寧にフリーで見直して動きを定着化させたかったのですが、ゲレンデが混雑してきたこともあり、3本のフリーで切り上げました。
そして、ビデオに撮ってもらいたかったので、明らかに早すぎるけどポールに入りました。


自分として参考にしたいところを切り抜いた編集済み版(再掲)

恥ずかしい滑りも入っている未編集板(再掲)


滑り方を見直して最初のポールなので、ターンの距離感やラインが想像と違ったりして思った通りとは行きませんでしたが、自分としては「お。これはまだまだ伸びしろがあるぞ」と手応えを感じました。もちろん、フリースキーで感じたほどの感覚はポールの中ではできていないのですが、しばらくは山回りの感覚を基準にいろいろと見直して行けば、全体的に良くなるだろうと方向性が見えた気がします。そういう意味でこの動画は私にとって非常に重要な記録になりました。

おまけとしては、失敗した後というか、後半さらにラインが落とされた後に苦し紛れに出てきた昔の滑りは、体が暴れているのにスキーが動いていないという恥ずかしい感じが白日の下にさらされ、「これには戻りたくない」という動機付けという意味ではいい記録です。

と、なかなか自分としては大きく前に進むことができた1日目でした。
2日目の話があるのですが、長くなったのでここでいったん切ります。

2016年8月14日日曜日

六甲山に再チャレンジ

私事ですが、といってもここに私事以外の話はないので変な前置きですが、これからしばらく神戸勤務が続くことになりました。神戸には自転車界隈では有名な六甲山があるので、この機会にできるだけたくさんこれにチャレンジしていきたいと思います。

前回、六甲山は激坂だったでも書いた通り、激坂にやられて、その有名な表六甲ドライブウェイの入り口で退散してきました。
二度目の敵前逃亡では三度目のハードルが高くなりすぎるので、とりあえず休み休みでもいいからと、表六甲ドライブウェイの終端まで登ってきました。



いやぁキツいなぁ。これ。何度も足を着いて休み休み登ってきました。
しかも下りが怖い。みんなどうしているんでしょう?

とにかく何度かチャレンジして、もう少し登れるようになりたいと思います。

2016年8月2日火曜日

スキーブーツR&Dのスペシャルコースで作ってみた(その5)

スペシャルコースでブーツを作って実際に滑って見たら「その過程でまたいろいろと発見出来て驚きました」と書いたのですが、そもそもブーツ作ったくらいで、発見とか驚きって何でなの?というところから触れていきます。

まだ1度しか作ったことがないのではっきりとはわかりませんが、スペシャルコースでブーツを作るときのやり方には二つのやり方があると思っています。一つは、「今の自分の滑りに最適化する方法」で、もう一つは「これから自分がやりたい滑り方に最適化する方法」です。

前者がいわゆる王道のやり方で、動画に写っている自分自身の滑りや自分の体格、骨格の特徴に最適化したブーツを作り、現在の自分の滑りの延長に上達を求めていくことになります。今回作った感覚からすると、スペシャルコースだと足に合わせると言うより体全体に合わせるという方が適切な表現な気がします。

一方後者は、一見裏表に見えるアプローチですが、前者に比べて圧倒的にリスクがあります。なぜならその時点でこれからやりたい技術が身につくかどうかについては何の担保もないことに加え、勝手に素人がこういうのがほしいと想像したブーツと私の言葉から設計された物が同じかはどこにも根拠がありません。もっと言えば、やりたい技術が物理的に可能なのかどうかすら怪しいです。所詮素人の願望というか妄想にすぎない可能性だってあるからです。

さて、今回の私ですが、
「今より足を伸ばして使いたい」
ということで、あまり自覚はありませんでしたが、結果的には後者のパターンだったといえます。スキーブーツR&Dの山本さんからもリスクのあるアプローチであることは何度も説明してもらったにも関わらず、自分とはあまり関係ないものであり、すぐに成果が出ると思い込んでいました。

その結果、夏から検討して自ら望んでいたにもかかわらず、今まで体に染みついたことにとらわれてしまい、
「これから自分がやりたい滑り方」
を見つけることがなかなかできずに苦しんでいたのでありました。
これは、雪不足で落ち着いて考えながらフリースキーをできるようなゲレンデがなかったという悪条件が重なったこともありますが、ブーツと同時にスキーも買い替えたのにうっかり古いスキーも処分してしまって自分のベースラインがなくなってしまったという戦略性のない部分も要因の一つです。

そんなこんなでブーツの良さの全容が見えない状況で試行錯誤を繰り返すことになり、結果、見当違いなことも含めて発見したり驚いたりすることになったのでした。

もしかすると、最適化が進めば進むほど、設計時の想定と違う動き方をした場合はかえって合わなくなってくるのかも知れません。

ということで、次こそは発見のお話しを。