2017年9月24日日曜日

スキーブーツR&Dのスペシャルコースで作ってみた(その9)ブーツの最終調整

久しぶりにスキーブーツR&Dに行ってきました。

このリンク先のエントリにも書きましたが、スペシャルコースには作ったあと、滑った動画を見てもらって行う最終調整というイベントがあります。

本来はブーツを作ってすぐに滑り込み、その結果をビデオで撮って最終調整してから本格的にシーズンに突入、というのがあるべき姿ですが、時間が確保できなかったのと本人が混乱期に突入していたので最終調整ができず今に至りました。

さて、シーズン中にも何度か動画を見てもらってその度にフィードバックをもらっていたので、私からの確認ポイントは実は2個だけ。
一つは今の理解とフレックスの関係を確認する話で、もう一つはフィッティングの話。

まず一つ目。
今の理解として動き方を変えてきたら、足首のフレックスの硬さは感じなくなったのですが、その感触が合っているのかどうか、という答え合わせです。
・自分から捻る動きはしない。
・足を曲げた小さい姿勢と足を伸ばした大きな姿勢を繰り返す。
・小さい姿勢は、足首の角度をあまり変えずに、頭の位置をつま先の上ぐらいに維持しながら膝を大きく曲げて作る。
・大きい姿勢は、膝裏を伸ばして踵でスキーを押すイメージである。
なんていう動きを体を動かしながら説明。

この動きで行けば、自分から足首を曲げに行く局面がないので、今のブーツフレックスに跳ね返されることも無いし、足を伸ばしているときに振動をもらっても吸収できているという感じです。

この理解があっているのか、またフレックスの理解があっているのかを確認したかったのです。
で、一生懸命説明した割には、そこはあっさりと「そういうつもりで設計しているのでOKですよ」と。

次に二つ目。
フィッティングの話は快適性と力の伝達効率のトレードオフの話。
実際にこのブーツを使っていると、1日目は調子がいいのですが、2日目になってくると写真の舟状骨の下辺りが当たって赤くなってきます。なので、強く踏み込もうとすると少し痛みが出て踏み込みが甘くなってきます。無視できる範囲でもありますが、ちょっと気になります。

こんな風に舟状骨の下が赤くなります。
部屋の散らかりには目をつむって。

これは逆の足ですがほぼ同じ。
丁度光っているところが舟状骨の下側を出している部分。

①ここを広げて当たりを解消した方がぐっと足を強く下に押しつけられてより力が伝わるのか?
②それとも、内側に広げると快適にはなるけど、その分足が内側に逃げて軸がずれてしまって力が逃げてしまうのか?

これに対しては、私の足と現状のブーツセッティングの関係で言うと、結論は②。
私の足は圧に負けて足の形が崩れやすいので、これを防ぐために内側の壁のラインを決めているので、力の伝達を優先するなら変更しないのがよいとのこと。
たとえば、私が毎週5日間このブーツで滑る前提で快適性を優先するなら、シェルをもう少し出したのでしょうが、今の滑走量だとこの痛みは無視できる範囲と判断しました。
なので、ここもブーツはいじらない、と納得して結論づけました。

ということで、最終調整での加工はありませんでした。
加工がないというとなんか損した気分ですが、未完成で滑っていたわけではなかったのでよかったかな、と思うことにしています。

実際には、このブーツの動作の前提を確認(実はメールベースで何度もしていたり、機会があれば予約して事務所に行って話もしていたので何度目の確認なんだという話もありますが)したり、当たりと性能のトレードオフの話をしたりと、有意義な時間でありました。

特にトレードオフポイントは、実際に滑って見ないと最後の詰めは分からないので、そこをどうあるべきかを議論して、必要に応じて最終調整というのは有効なのでしょうね。

新しいATOMICブーツには非常に興味があるのですが、やっぱり今シーズンは自分の体に対する完成度の高いこのブーツを継続して使うことにしました。