2015年5月24日日曜日

いろいろと悩ましいブーツの前傾角

公開するのを忘れていましたのでちょっと古いお話しです。

今日もブーツオタクは、足首の前傾角の悩みが尽きない日々を過ごしております。
例によって心の整理というか、近日予定されているスキーブーツR&Dのカウンセリングを受ける前に聞きたいことを整理するためにここにメモを書いて残しているという次第です。

さてさて。その昔ローラースケートブームというのがあり、ワタクシも御多分に洩れずとうか、人一倍これに染まった小学生時代を送りました。当時、子供が使うローラースケートの主流は、サンダル式なんていう車輪のついた台の上に普通の靴を縛り付けて滑るタイプでした。これは今のインラインスケートの靴のように足首の角度を制約するものはありません。このため、足首のアシストがないので高速の安定性はありませんが、自分の感覚だけで足首の角度を調整する必要があり、気がついた時には滑るスポーツでの足首の前傾角というのがどうあるべきかという感覚を身につけることができました。
結果的にこの感覚はスキーを始めてからもぶれることはなかったので、自分としては正しい感覚だと思っています。

そしてこの感覚に照らし合わせると、RedSterの足首の前傾角はやっぱり深いんですよねぇ。つまり40過ぎのおっさんは、30余年前からの引き継いでいる感覚を覆せずに困っていると。そして、
「これってもしかしたら、おっさん故に、単に新感覚についていけてないのではないか?」
という不安にも襲われていたわけでもあります。

さて私が大騒ぎしている前傾角なのですが、正確にはRedSterの特にロアシェルの前傾角は製品としては変えていないそうです。
でも私のみた限りではアッパーカフの固定方法は変わっています。従来のRacetechと同じように、ロアシェルの立ち上がりの角度をよりゆるく設定することはできなくなったようです。つまりRacetechでのきつめに設定した前傾角しか選択できなくなっているということのようです。
しかし、ここに書いていますが、過去にはこのセッティングを1日で諦めたこともあり、あまり乗り気じゃありません。

足首の前傾角というのは、言うまでもなく、ポジション全体への影響が非常に大きいです。下の図は角度も何も測っていないイメージ図なのですが、足首の前傾が強いとポジション全体が低く小さくなります。


この足首の前傾が強い低い姿勢に、私は二つのデメリットを感じています。

一つは、大きな力を支えるのには効率が悪いということです。
ターン中に受ける外力を筋力だけで支えるのなんてのは到底無理で、やっぱり骨格で支える必要があります。そんな大きな力に耐えるなら、言い換えるなら重いものを支えるなら膝なんて曲げないほうがいいわけです。運動していることを踏まえても、膝は伸ばしきる手前ぐらいの曲げ加減で良いはずです。

逆に、深く膝を曲げるということは、普通に直立しているのに対して部活でやった空気椅子ぐらいの辛さ、自転車で言えば低いサドルで膝を曲げたまま漕ぎ続けるぐらいの辛さがあります。

時速50km/hとか80km/hの速度を出しながら長い距離を滑るスキーで、こんな負担のかかる姿勢をあえてとる理由がどうにも想像できないのです。

もう一つの大きなデメリットは、足首の動きシロが小さいということです。
可動域が大きければ高い姿勢も低い姿勢も自由に取れますし、ストロークも大きく取れます。私がテッドリゲティやマルセルヒルシャーのように激しく動けるスキーをできるとは思いませんが、方向性としては彼らのようにしっかり動きのある滑りをしたいと思っています。そのためにも主役である脚部が大きく動いて欲しいと思っています。

しかし、足首の前傾できる限界というのは当然決まっています。にもかかわらず、最初の位置を深くしてしまったらそこから動ける量も限定的になってしまいます。さらに、足首の可動量に連動して膝の動きや股関節の動きの量が決まってしまうので、足首が少ししか動けないということは、体全体も少ししか動けないということになります。

この2点が根本的な前傾角の深さに対する私のひっかかりです。

過去いろんな場面で、私は腰高ポジションで、太ももは立てて使う、と言い続けてきたのでなかなかこの変更は受け入れ難く。どうしたものなのかなぁと悩みが尽きないのでありました。

さて、この悶々とした思いに対するスキーブーツR&Dの山本さんの回答は、別エントリで書いてみたいと思います。

10 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

失礼します。素人草レーサーの思いつきなのですが、ビンディングの踵だけ高さを高くするというのはどうでしょうか。なにもしてなくても前傾になるし、それほど足首を屈折させなくても前に重心が残る感じがするのですが。レギュレーションとか他のデメリットがあるかがわかりませんが、ご意見いただけると幸いです。

kaizo さんのコメント...

匿名さん、
コメントありがとうございます。
ブーツソールから傾けて、脛の角度を変えてあげるという手ですね。
実際には前傾を緩くしたいので、踵をあげるのではなく、爪先をあげることになると思います。
確か、ハンドエスさんというブーツチューン屋さんのblogで、Redsterの爪先側だけボトムアッププレートをつけるというチューンをしている写真をみたことがあります。

私も簡易的に爪先の裏に2mmのプラ板を両面テープで張り付けて自宅で履いてみましたが、足裏のランプ角が変わってしまうのが気になって滑る前に不採用にしてしました。おそらく若干反応も鈍くなると思うのですが、滑ってテストしてないので、その差にこだわるべきかはわかっていません。

もしテストするのであれば、簡易チューンでなにか薄いものを挟んで滑ってみるのが一番わかると思います。
感触がよければありかもしれませんね。本格的に使うならコバカットは必須だと思ったほうがいいです。誤解放が怖いので。

やり方としてはブーツの爪先だけボトムアッププレートをいれるほか、ビンディングのトゥピース側だけプレートを入れるという手もありますね。ATOMICのビンディングは2mmのプレートが販売されていたと思いますが、あれをつま先側だけ入れてやる感じです。
選手でもやっている人を時々見ます。ブーツでボトムアップしていなければ、レギュレーション的には2mmぐらいまでは行けそうですね。ボトムアップしていると、たぶんギリギリでしょうが。

kaizo さんのコメント...

長くなったので分けました。

私の思いつくデメリットについて。

・ブーツのコバカットしたら戻せない
ブーツにプレートを付ける場合は、元のほうがいいとか角度を変えたいと思っても、一度加工してしまえば戻せません。

・ビンディングの種類に制約がある
たとえば、ATOMICのXビンディングならプレートがありますが、全メーカー、全モデルのビンディングにちょうどいいプレートがあるとは限りません。また、全部のスキーに着けないといけないので、ちょっと面倒ですね。

・適正角度を見つけられないかもしれない

これが一番のデメリットかと思っています。
我々でもつま先を高くして、硬いバーンを滑れば確実に変わったことはわかります。
でも、あげればあげただけ変化を感じますが、どこが適正なのかはよくわかりません。
ちょうどいいと思っても、ついつい変化の大きなものを選択しがちです。
でも、それを考慮して緩くした場合は効果が薄いかも、という思いがぬぐいきれない場合もあります。

そしてこのあたりに悩みだすと正解がみえなくてなって蟻地獄にはまってしまい、気が付いたら少ない滑走にっすの全てで悩んでいた、なんてなるのが一番怖いですね。

kaizo さんのコメント...


ちなみに私はブーツチューンで前傾を緩くしました。
そして、新しいポジションに現在悪戦苦闘中。
生みの苦しみを味わっています(笑)

匿名 さんのコメント...

詳細にご回答いただきましてありがとうございました。自分の感覚として、切替からターンマックスにかけては、頭より斜め前方に、外脚の膝とくるぶしを伸ばしていくので、遠心力最大の時にブーツの前傾がつぶれる感覚が少なく、ターンマックスから切替にかけて、外脚が前に出た分、体が遅れないように前に出たいというのがあったので、踵を上げたいと思いました。
自分が想定している前傾角が、ターン要素のどの部分のことかをちゃんと意識しないといけないなと考えさせられました。
仰っていたブーツのチューンについても少し調べたのですが、最近のブーツは拇指球に体重をのせるのではなく足裏全体に加重するために踵が低くなる傾向があるそうで、その関係でランプ角をより平坦にするために行うことがあるようですね。そうすると、今のブーツはランプ角がほぼ平坦になっているのでしょうか。それとも、昔よりも平坦になっただけで、ハイヒール状態ではあるのでしょうか。
それに伴い、自分の求めるブーツと最近の傾向が違うようで、自分の技術はそんなに間違っているのかな、とも思います。自分の感覚が良好な分複雑です。このような場合、どっちを優先させますか?
ご意見いただけると幸いです。

kaizo さんのコメント...

匿名さん、
コメントありがとうございます。

長くなったのでまず、ランプ角の話についての私の理解を書いてみます。

昔ながらのランプ角がしっかりあり踵が高いブーツでは、スキーをスイングする動きや、瞬間的に強い力を加えるのに有利なポジションを作りやすいです。これは素足で踵を持ち上げて運動していることを想像すると理解しやすいと思います。
カービングスキーになる前のスキーでは、スキーを振る操作やひねる操作が重要だったので、このような動きやすい踵が高いブーツが求められていたのだと思います。


次に、カービングスキーになってから。
カービングスキーの場合、小回りでもしっかり弧を描いてターンをするケースが多くなっています。この場合スキーのセンターに長く乗り続けられる方がスキーをきれいにたわませることができるため、安定したポジションを取りやすいブーツが求められるようになったのだと思います。その結果、ランプ角の小さいブーツが主流になったのでしょう。
踵を下げた分ブーツとしての操作性は落ちているのでしょうが、スキーの操作性は抜群に上がっているのでデメリットはないという評価なのだと思います。
そもそもブーツの根本性能が上がっているので、比較してもデメリットは感じないとは思いますが。

ということで、スキーのセンターに安定して乗り続けるために、今のランプ角があったり、足裏全体に荷重する感覚になっているというのが、今の流れだと思います。

ちなみに、計測はしていませんが、完全に平坦にはなっていません。ランプ角は依然としてあり、比較的緩くなったというだけだと思います。

kaizo さんのコメント...

匿名さん、

滑りを見たわけではないので想像でしかありません、という前置きを置いて。
まず、「遠心力最大の時にブーツの前傾がつぶれる感覚が少なく」とあるので、大きくはずれた滑りではないとは思います。少なくとも荷重感覚は結構よさそうですよね。

ただ、文章を読む限り、重心を前後に移動させる感覚が強く、重心移動の方法が少し昔の滑りを引きずっているのかも?と感じました。
カービングスキーだと、小回りでもかなりゆったりした動きになると感じているので、このあたりの感覚を再確認していくと何か新しい発見があるかもしれません。

ちなみに、私の滑りの好みというか、目指すところは、
「完成度は実力相応に低くても、ワールドカップレーサーの技術の延長上にいたい」
「マテリアルの性能を引き出して、私の低い運動能力を補ってかっこよく滑りたい」
というものなので、滑りを一生懸命いじっているつもりです。

実際には道具を変えても、滑りを変えたつもりでも、周りにいる人は「いつものカイゾーの滑りだね」と言われてしまいますが(苦笑)

このあたりを自分の感覚をベースにするのか、自分の感覚を変えていくのか、は、どういうスキーの楽しみ方をしたいかによりますね。

答えになっていますか?

kaizo さんのコメント...

ハンドエスさんのページありました。

http://blogs.yahoo.co.jp/hands77hands/37104153.html


ブーツに対する考察は、私が実際にRedSterで作ってもらった感想とは異なりますが、
加工方法としては参考になるかもしれませんね。

匿名 さんのコメント...

ご回答ありがとうございました。スキーに何を求めるかを明確にするということにはハッとさせられました。自分にとって大切なのは、自分にとってのスキーの限界を見たいということになると思うので、感覚の方を優先させた方がいいのかなとおもいました。技術の追及や解明は、限界を感じた次のステップだと思うので、現時点では自分の感覚を大切にしようと思いました。
突然の訪問にもかかわらず、詳細にご回答いただきありがとうございました。今シーズンも頑張っていきたいと思います。

kaizo さんのコメント...

匿名さん、

自分の感覚をベースにするという選択もありだと思います。
それでぶれずに突き進めば、楽しめると思います。
また、その方向性で一旦の満足を得たり、行き詰ったら、また別の方向性を考えればいいだですし。
この選択自体もスキーの楽しみ方の一つだと思います。

私もお返事をすることを機会に考えを整理できて、いろいろと得るものがありました。
私が答えをもっているとは限りませんが、意見交換できると楽しいのでまたよろしくお願いします。