2016年8月23日火曜日

スキーブーツR&Dのスペシャルコースで作ってみた(その7)

新しいブーツで何を発見したのか、というお話し。の続き。

1日目は自分としてはなかなか満足のいく発見が得られました。その時の動画を見ながらあれこれ考えていたら、この感触を忘れないうちに早く滑らなくてはと焦ってきて、週末を待たずに木曜日の祝日に無理矢理KNJさんを連れ出して日帰りで滑りに行きました。

この日のオオマツは、苗場のWCupを週末に控えているせいか、ゲレンデはがらがら。そして快晴。
もっと雪が硬ければよかったけど、あれだけゲレンデが空いていればそれを補ってあまりある十分美味しい条件でした。あとから気がついたのですが、実はポールバーンとその他のコースでコース整備のやり方が違っていたんですね。ポール練習後の沢コースを滑って見たらカチカチで気持ちよかったです。さすが菅平。


■2日目(2016/02/11)
この日は1日目につかんだ山回りの感覚をベースに、切替えの意識を変えてみようとテーマ設定。
本当は山回りの定着化の方が先なのでしょうが、わかり始めてきたらもう好奇心に負けて切替えのやり方を探りに行くことにしました。

ターン中には足を伸ばして使っているので、
切替えでは、
膝を伸ばしたまま単純に傾きを戻すか、
膝を曲げて雪面からの重心の高さをあまり変えないで切り替えるか、
という選択肢になってきます。
単純な動作の前者の場合はもちろん、ちょっと動きが複雑になる後者であっても、ターン中の足を伸ばして雪面を捕らえる感覚は変えずに滑りを組み立てたいところです。そのあたりの感覚を確認して行くことにしました。

まずは単純な重心を高く保ついわゆるストレッチっぽい切替えから始めました。自分から外向を作ったりしないで前回同様歩くようなイメージで滑ります。

自分の癖を矯正するために意識しているのは、ターン中に外腕を前に出してスキーの向きと胸の向きを合わせながら滑ること。そして外腕の位置です。腕は足よりいじりやすいので、腕の動きから連動させて全体の動きをよくしていこうという作戦です。
あくまで理想は高くLigetyなイメージで。ただし、傾きの量は斜面の硬さ、斜度、スピード、ターン弧、そして私の技量にあわせて現実的なところで。傾きの量だけは形から入っても意味が無いので。(と、言い訳のようですが、まじめにそう思っていますよ)

Ligetyの腕の位置に着目した


まだ、スラローム的な早い動きはできませんが、ミドルターンでつないでいくとスキーがターン中に良く滑る感触があります。なかなか気持ちがいい。これはある程度予想通り。
これも動画無いなぁ。滑るのが楽しくて撮っていませんでした。

そろそろ動画を撮るかと、名カメラマンKNJさんに撮ってもらいました。
ベンディング的な動きはちょっと複雑なのでもう少し後でと思っていたのですが、ホワイトピークコースで滑り出したら、雪面がもこもこと荒れていたのと、短いSLスキーでうっかりそこそこのスピードも出してしまったので、必要に駆られてベンディング的な動きを使い始めました。



動画を見ると、切替えを意識しすぎてターン中の動きが雑になってしまいましたが、自分としてはベンディング的な動きをやっと理解できた記念すべき滑りです。もちろん今までもなんとなくやっていたのですが、初めて理解したという感じです。

この動画から起こした連続写真でいうと、2コマ目の動き方に、自分としてはいくつか「わかった!」というポイントが有りました。
できる人からすると当たり前なんだとは思いますが、自分としてはここに発見がありました。


発見1:ベンディングは、小さくなると言うよりターン中に突っ張っていた体を緩めるぐらいでも成り立つ。

私は半月板に水平断裂があったり、過去の大転倒で側副靱帯を伸ばしていたりして、膝に負荷のかかる滑りができません。なので、ベンディングだからといって、腰掛けるほど無理矢理小さくなるのは受け入れがたいと思っていたのですが、軽めのベンディングというのが今までぴんときていませんでした。

というのも、今までのブーツでターン中に荷重を上手く受け止められるポジション自体が案外膝が曲がった状態だったので、そこからさらに膝を曲げると、既にかなり深い角度まで膝を曲げる必要が出てきます。軽めにやってみたいんだけど、すぐにこんなに苦しくなるまで曲げるっておかしくないか?という疑問がありました。

しかし、今度のブーツではターン中はかなりしっかり膝が伸びているので、切替えで膝を曲げる量がそれほど多くなくても、ターン中に比べるとしっかり膝を曲げていることになるので、感覚的には緩める程度でもリズムが取れます。つまり全力のベンディングじゃなくて軽いベンディングという動きができて、それでもターンできるということが理解できました。


発見2:ベンディングで膝を曲げるとき、思ったより足首は曲げない。

自分ではそれほど固執しているつもりはありませんでしたが、昔から、
「足首を前に入れてスネをブーツのタンに押しつけるように」
なんて言われていたので膝を曲げて姿勢を低くするときは、足首をぐっと前に入れて腰の位置が後ろに行かないようにと無意識にがんばっていました。

しかし、切替えではほとんど外力がないので、ブーツをつぶす力は、基本的に自分の体重と筋力です。ブーツのフレックスが高めなこともあって、足首を前に入れようとぐいぐい押してもブーツに押し戻されてしまいます。
「あれ?なんか無理筋なことをがんばっているのかな?」
とふと気がつき、ブーツの前傾角を自分から曲げに行く意識はなくし、膝を曲げて腰が後ろに移動した分は、頭が前にくれば相殺されると考えて、上半身の前傾を少し強くしてみました。
感覚的には、上体が起きると置いて行かれるので、そうならないようにあらかじめ股関節から前傾するぐらいの感覚です。

すると、足首が伸びたまま(実際には前に動いていますが)でも、スキーの真ん中のポジションが維持して切替えができます。

なるほど。これアリだな、と。

と、同時にブーツの硬さに対する評価が一気に変わりました。
外力がかかる時は足首を伸ばし、外力がかからないところで足首を曲げる。
つまり、どのフェーズでもぐにゅっとは足首は曲がらない物だと再認識したら、無理に足首を入れて押し返されることもなくなり、安定して滑れるようになりました。1月までは「150失敗だったかなぁ」とうんうん悩まされていましたが、今滑っている感覚として、ブーツが硬いと思うことは一切ありません。
逆に足首を伸ばして、ブーツの前傾を起こす様な力を加えると、ブーツの後ろ側がぴんと張って力を支えるので、もっと柔らかいブーツでもいいのかな?なんて買うときの悩みと真逆な考えにも興味を持つようになりました。でも、この感覚はまだよく分からないです。もっと硬いところで滑り込めば何かが分かるのかも知れません。

<蛇足>
今までドーベルマンみたいに足首の稼働範囲が小さいブーツにはちょっと不安があったのですが、もう問題無くいける様な気がしてきました。
</蛇足>

発見3:先行動作は首から上だけ
ポールに入らなくたって自分の通るラインはあらかじめ確認しておきたいところですが、スキーの向きと胸の向きを合わせて滑るので、視界が制限されてしまいます。LigetyやShiffrinはどうしているのだろうとYoutubeの動画を見てみると、頭だけ、視線だけがきっちり先行しています。

なるほどそういうことなのか。さっそくこれを真似しよう、と思って滑ると、なるほどテンポがいい。

ただ、これが一番今までの癖が抜けなくてついつい上半身を外に向けるというか、内肩を前に入れたくなってしまう(何時代の滑りだ。レーキャンでみる若い子は誰もやってない。。。)ところですね。

出来上がるターン弧の大きさと自分の予想しているターン弧の大きさのギャップが解消していないので、無意識に「もっと回したい」と思って余計な動きをしてしまうのかも知れません。厳密に言えば、出来上がるターン弧のラインも今までと違う気がしますし。これを慣らしていくのは今後の課題です。

発見4:視界が安定する
昔から、SLでラインを正確にコントロールして滑るコツは、頭を揺らさないことだと思っていたので、非常に重視していました。視界が安定していればその分、揺れを補正しなくて良くなるので、ラインを考える時間が増えますので。

滑り方をいじり初めてから、どうにも回りがよく見えている様な気がしていたのですが、荷物をしょって滑って確信しました。この滑り方、頭や上半身が揺れない。

視界が安定するのも気のせいじゃない。今まで見えなかった物が識別できるし、視野角も広くなった気がする。これは怖さがなくていいですね。


という感じで、確認すればするほど何かを発見し、驚きの連続でした。

ちなみに、このページの動画をじっくり見ると、ベンディングでの沈み込みの量をいろいろ試しているのが読み取れるかも知れません。これくらい曲げるとどうなるのかな?と実験しています。

この後もこんな調子でいろいろ試しながら滑り込んで様子を見たり、GSスキーに戻してみたりしながらいろいろと確認をするのでありました。、16時以降の練習の終わった硬い沢コースで滑ったりもしたのですが、やっぱり硬いコースの方が道具の挙動はわかりやすいですね。硬いコースはやっぱり楽しい。

もうこれだけ分かれば、手を広げるよりもまずはこの2回で感じた新しい感覚を自分自身に定着させることが大事だな、と考えて、次回は定着化だなと思いながらゲレンデを後にしました。

ということで、2日目終了デス。

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