2014年5月24日土曜日

スラロームの基礎を考える イメトレ編 その10 どこを動かすのか

スラロームの基礎を考える イメトレ編 その9 スラロームはショートターン?」では、ショートターンではなく、ミドルターンでイメージを作るべき、という話を書きました。

さらに、ミドルターンで意識すべきことを書いていこうと思います。

本当は自分の滑りで説明したいのですが、友人のKNJさんの滑りの動画があまりに説明するのにちょうどいい素材なので、これを使います。
友人の会心の滑りのあら探しを行い、もとい、いいところを再確認することにもなるので、彼のイメージを定着化するお手伝いにもなるかと思い借用に踏み切りました。

さて、ここからが本題。
前回も少し書きましたが、ワールドカップレーサーの滑りを見ると、すごい速さで足が左右に動いているように見えます。しかし、
「滑っている本人は本当に左右に足を振り出している意識なのだろうか?」
という疑問が昔からありました。

つまり、
こういう「上体を中心に左右に足を振り出している」イメージではなく、


「スキーを基準に身体を移動する」イメージの方が、 ポールを滑るときの動作と馴染むのでは?ということです。



ターンの軌道とあわせてこんなイメージです。(上の図の赤い線を斜めに倒しています。)


つまり、左ターンの山回りの頂点を過ぎたあたり、(スラロームで逆手でアタックした直後ぐらい)から、右ターンに切り替える際、
「スキーは動かさずに(A)の場所にある重心を、(B)の場所へ移動する」
ということをイメージします。

このイメージに切り替えた頃(SLスキーが200cmの時代ですが)から、格段にスラロームのタイムがよくなりました。

でも、よく考えると当たり前なのですが、イメトレ段階で両者は情報量が全然違います。
「上体を中心に左右に足を振り出している」イメージは平面的です。前後のイメージや、斜面を上から下に滑っていくイメージともリンクしにくいです。
しかし、「スキーを基準に身体を移動する」では、進行方向へ移動とターンフェーズにあわせて動きのイメージがあり、斜面の上から下に降りていくイメージとリンクさせやすいです。

ということで、スラロームを意識したミドルターンでは、体を止めてスキーを動かすのではなく、大回りと同じように、スキーを動かさずに自分自身の体を移動するイメージにするとしっくりくると思います。

「これってなかなか鋭い発見だから、ナイショだな」
とか思っていたのですが、伊藤知之さんがblog(伊藤知之のスキー通信)で、同じ発想でより高度に分析されいるのをみて、出し惜しみするのも恥ずかしくなり、blogに書いてしまいました。

KNJさんの滑りを利用したイメトレの解説はまだまだ続きます。次回は動画を使う予定。

3 件のコメント:

KNJ さんのコメント...

私の撮る動画は「研究用に使用することがあります」だけど、かいぞーの撮る動画は「blogネタにすることがあります」って?

いや、しかし、もっとましな例があっただろうに…

kz さんのコメント...

KNJさん

もっとあっただろうにとのことですが、
①見たいところが写っているいて、
②CSCFと比較しやすいアングルで、
③分析として意味があるくらいまともに滑れている
という条件にするとなかなかちょうどいい素材がないのですよ。
特に、②かつ③で静止画で使っても動画で使っても破綻しないという意味で非常に都合がよかったです。

来年はもっと撮ってもらえるように気をつけて滑ろう。

kz さんのコメント...

おっと書き漏れてしまった。

KNJさん、ご出演ご快諾ありがとうございます。

あと、最低2回の出演が予定されております。
内容は、動画をコマ送りにしたフリースキーの解説と、ポールをアタックするタイミングの解説になる予定です。