2014年5月10日土曜日

スラロームの基礎を考える イメトレ編 その3 「ワールドカップレーサーの滑り」を見る

スラロームの基礎を考える、イメトレ編、その3では、「完成形のイメージを作る」ために見るべき3種類の滑りのうち、「ワールドカップレーサーの滑り」の見方について書いていきます。

「ワールドカップレーサーの滑り」は、同じような道具を使った別のスポーツと言えるぐらいレベルが違います。例えるなら、部活のバスケとNBAのバスケぐらい違います。しかし、それだけ段違いであろうとも、私を含めた素人レーサーの完成形のイメージとしてはやっぱり最高峰の動き、「ワールドカップレーサーの滑り」を頭に入れたいです。もちろんワールドカップレーサーと同じことが出来るわけではないのですが、質の高い滑りから基本的な動きを学ぶことが目的です。

ところが、ワールドカップやオリンピックのレース本番の滑りは、基本的な動きを学ぶためのイメトレには向きません。コースも難しいし、勝つために必死に滑っているし、緊張もしているので、一流選手でも失敗とリカバリの連続です。失敗からのリカバリテクニックは派手でカッコよくて印象的ですが、イメトレの邪魔をするのもこのリカバリです。リカバリの派手なシーンだけが頭に残ると、全ターンをリカバリ動作で滑ってしまうというなんとも滑稽なことになりかねません。

実際に、派手なシーンが頭から離れなくて、毎ターンリカバリテクニックで滑っている人をゲレンデで見かけることがあります。本人はアクロバティックな動きで速そうな気がしているかも知れませんが、残念ながらそんなことはないですし、安定してゴールに入ることもできません。だって、自ら毎回失敗を作ってリカバリしているのですから....

ということで、見た目の派手さではなく、真似をするべきはオーソドックスな普通のターンなんです。

そんなオーソドックスな滑りをどこで見るべきか、というと、本番のレースではなく、練習の滑りです。練習の滑りを見ると、どんなことを意識してどんな風に滑りたいのかがよく伝わってきます。そして思ったよりもレーサー達は基本に忠実な滑りをしてることがわかります。真似したいのはこの基本に忠実な地味な滑りです。

さらにその練習の滑りでも、マルセル・ヒルシャーとか、ボディ・ミラーとかはカッコいいですが、実は派手すぎてお手本になりにくいです。天才の中の天才なので派手で目につきますが、その目につく個性的な部分はなかなか真似できません。佐々木明や湯浅直樹も残念ながらこの類い。普通の人が自分の基礎力を上げるに見る素材としては個性的過ぎだと思います。

すごすぎて参考にしにくい滑りの例

お手本にするのであれば、もっと基本に忠実な動作で滑っている選手がいいですね。
女子選手の方が筋力がない分、基本に忠実な動きをしている選手が多いように思えます。その中でも、今ならミカエラ・シフリンがいいお手本になると思います。

ということで、今見るならミカエラ・シフリンの練習の滑りです。
Youtubeにもいくつか上がっているようです。



ただ、カメラアングルとかメッセージ性(何から順番にやるべきか、など)を考えると、CSCFのWorld20xxが群を抜いていいのですが、国内では入手が難しくなってしまいました。残念です。

スラロームの基礎を考える イメトレ編 その2 見るべき素材は3種類

スラロームの基礎を考える、イメトレ編、その2では、「完成形のイメージを作る」のやり方の話を書いていきます。

イメトレの素材の候補は、ちまたにあふれる動画や写真などたくさんありますが、中には「かっこよくても参考にならない」とか「本当はいい素材でも、読み取りにくいもの」もあります。カッコいい素材はスキーへのモチベーションをあげるためには意味がありますが、「参考にならないもの」や「読み取りにくいもの」は、誤ったイメージを作る原因にもなり、これらをたくさん見ても実は上達できません。

とうことで、完成形のイメージを作ることを目的にした場合に、何をどう見るべきか、という話を書いていきます。

■何を見るか?
自分の滑りの目指すべき完成形のイメージを作るために効果的にイメトレをするためには、3種類の素材を見るべきだと思っています。それは、「ワールドカップレーサーの滑り」、「自分の滑り」、そして「自分と比較できる身近なエキスパートの滑り」です。

目標としての「ワールドカップレーサーの滑り」をみることは重要ですが、これだけをみてもあまり効果は上がりません。出発点としての「自分の滑り」がないとイメージが自分の動きにつながらないからです。そして、「自分の滑り」を見たことがない人は、たいてい実力以上に自分をうまいと過信しています。さらに、その過信した実力をベースに非常に難しい課題設定をしがちです。まずは、客観的な事実として出発点である「自分の滑り」を把握して、今何が必要なのかを把握することから始めるのが大事です。

また、ワールドカップレーサーの滑りを目標に設定するのはよいのですが、残念ながら一緒に滑る機会も、同じコースを滑る機会もなかなかありません。このため、違うにしてもどこまで違うのかがなかなか具体的に理解出来ません。自分の滑り同じコースを滑ってくれる「身近なエキスパート」と比較すると、より具体的にギャップが明らかになり、上達を加速するイメージの具体化が進みます。

ということで、上記の3つを組み合わせてみることが効果的だと私は思っています。

まだまだ書きたいことはあるのですが、長くなったので今回はここまで。
次回は、ワールドカップレーサーの滑りの見方について書きたいと思います。

2014年5月8日木曜日

スラロームの基礎を考える イメトレ編 その1 完成形と身体の動かし方

「私の大好きなスラロームの草レースの絶滅を回避するため、地道な普及活動のていをとりながらあれこれメモを書き、自分の考えを振り返ってみようかと思います。」
の一環として、スラロームを意識したイメトレを考えてみます。

「フリースキー編のその1」に手をつけたばかりなのですが、
「フリースキーとは、イメトレの実践である」
と書いたところで、イメトレの話がまだだったことに気がつき、慌てて書き始めましたのがこのエントリです。

ということで、イメトレの話。

ごく一部の天才やそれに類する人を除いて、雪上で闇雲に滑っても慣れはしてもなかなか上手くはなれません。

これは、スキーというスポーツは、
「斜面」という大多数の人にとって日常生活からかけ離れた場所で、
「滑る」というこれまた日常生活では経験することのない運動をするので、ただ雪の上にいるだけではどんな動きをするべきか具体的なイメージを作れないからなんだと思います。

ということで、まずはどう動くべきかを頭で理解するためにイメトレが重要です。

もちろん、小さな子供の場合は実際に体験させることで勝手にうまくなるので、頭でっかちなイメトレなんてほとんどいりません。手前味噌ですが、うちの娘は一緒に滑っているだけで勝手に上手くなっていっています。
ですが、そういうすべてを体で感じ取れる時期を通り過ぎてしまった大人の場合、頭で理解しないと体が動かないのです。ということで、まずは頭で理解するためにイメトレが必要になります。このエントリはそういう人向けの話となります。


そのイメトレは大きく分けて「完成形のイメージを作る」と「体の動かし方を体験する」の2つがあると思っています。

「完成形のイメージを作る」とは、何をするべきかの情報を頭に入れる作業です。
基本的にはお手本となるうまい人の滑りを見ることになります。イメトレと言えば最初に頭に浮かぶのはこの行為だと思います。

もう一つの重要なイメトレは、「体の動かし方を体験する」です。
当たり前ですが、頭でわかったつもりでも簡単にができるようになりません。
でも、雪上に行くと今までのイメージに引っ張られたり、こわかったりで新しい動きはなかなか出来ません。なので、野球で素振りをするように(私は素振りをするほど野球をまじめにしたことないですが)、実際に身体を動かしてイメージした完成形のように動くための動き方、つまりどの関節を曲げて、どの関節を伸ばすのか、どこに力がかかるはずなのかということを理解するための行為です。

このあとのエントリでは、それぞれイメトレの仕方とか、基本と思っている動画とか、素振りに相当する身体の動かし方なんかを書いていこうと思います。

2014年5月3日土曜日

チューンナップ:ファイルのメンテナンス

一度間違って書きかけで公開してしまったのですが、写真付きでもう一度公開です。

チューナップに欠かせないファイルですが、これも刃物なので、よく切れる物を使うのが上手くエッジを仕上げるコツです。
ファイルの切れ味は、元のファイルの素性とか研ぎ方にも大きく左右されますが、普段の扱い方次第で寿命がかなり違います。

削り方とか持ち方とかはYoutubeなどにもたくさん動画があるのでそこにまかせるとして、あまり載っていない、地味だけどファイルを長持ちさせるための基本的なメンテナンスについて書いてみます。

■目詰まり対策
エッジとファイルの間に余計な削りカスがあればまともにエッジを研ぐことはできません。
ファイル側の目詰まりをとるために、真鍮ブラシを使います。私の使っているブラシは、15年ぐらい前に買った物で800円ぐらいでだった気がします。
ポイントは、鉄製のファイルより柔らかい真鍮のブラシということ。これより硬いとファイルが痛んでしまいます。逆に、古い歯ブラシでは、毛が柔らかすぎて削りカスが落とせません。
私のブラシはコンケストのものですが、それこそDIYのお店で代用品を買っても問題無いと思います。ただ、あんまりブラシがまばらだと使いにくいでしょうね。




北岡ヤスリさんのおまけの紙によると、目詰まり対策にはあらかじめチョークを塗るのもよいそうです。油が抜けるのでよくないという説もあるそうです。私は使わないで保管しているオフシーズンが長いので、油が抜けるのは避けたいところですが、そのうち試してみたいです。

■削りカスの除去
さらに、削りカスはスキーの上にも残っています。
これを無視してファイルをかけると、エッジに焼きが入ったり、ファイルがなまったりする原因になるので、きっちり落としてあげる必要があります。
これも最初は、真鍮ブラシで落としていたのですが効率悪く、今はベラークの椎木さんの真似をして毛足の長い刷毛で落としています。


この刷毛は絵の道具が置いてあるお店で買いました。10年ぐらい前で2500円ぐらいだったと思います。
腰があって毛先がなめらかで、削りカスを落とすには完全にオーバークオリティですが非常に便利です。

■ファイルのしまい方
ファイルを保管するとき、ファイルとファイルがぶつかるとあっさり切れ味が悪くなってしまいます。
なので、買った時のビニールケースに入れるとか、布のヤスリいれにいれるとか、基本的です。カッコいいヤスリ入れがあればいいのですが、私は買ったときの袋を使っています。




と、地味目な作業ですが、これらをやるようにしてからファイルの切れ味が長持ちして、エッジの仕上がりもよくなりました。おすすめです。


2014年4月25日金曜日

スラロームの基礎を考える フリースキー編 その1

「私の大好きなスラロームの草レースの絶滅を回避するため、地道な普及活動のていをとりながらあれこれメモを書き、自分の考えを振り返ってみようかと思います。」
の一環として、自分がスラロームを意識したフリースキーで考えている基礎について書いていきたいと思います。

内容的には最先端技術の解説、ワールドカップ選手の解説とかではなくて、そのずっとずっと手前。レーシングキャンプでも当たり前すぎて説明が省略されている基礎の部分を主にしていきます。


ちょっとばかりまわりくどいのですが、前振りから。

まず、スラロームセットを1回でも滑ったことがある人はご存じの通り、なかなか思ったように滑ることが出来ません。

この原因には、ポールセットのどこを滑ったらいいのかがわからないという「経験不足」と、
ゲレンデを自由に滑っている時には気がついてなかっただけで実は基礎的なテクニックが足りていないという「技術不足」の二つがあると思っています。

「経験不足」の方は、知識を増やしたり滑り込んで慣れたりした分だけ速くなりますが、残念ながらすぐ壁に当たります。「技術不足」があると、やろうと思っても出来ないことがあるからです。

そしてこの「技術不足」の解消は、ポールのなかではまずできません。
それどころか、変な癖がついて上達を阻害したりします。


ということで、「技術不足」の解消につながる基礎を身につけるためのフリースキーについて書いて行きたいと思います。

ということで、今回は前振りまで。

2014年4月19日土曜日

ATOMIC Redster WC150 お店で足入れしました

真っ赤でした。
去年のブーツと履き比べていませんが、基本的に同じだそうです。

アトミックもFischerのバキュームフィット的なシェルの熱整形やるんですね。
Memory Fitというそうです。
加熱したシェルに、当たりそうなところにあらかじめパッドを張って足を入れ、冷やして形を残すんだそうです。
そうか、レーシングブーツもこっちに進むのか。


やっぱり動画がわかりやすい

2月に一緒に滑ったgyochanさんからいただいた質問にメールで答えていましたが、やっぱり動画を見た方が早いので編集しました。
元ネタはCSCFのWorld2014です。

メールでは、山回りを鍛えた方がいいとさんざんパート練習の話をしていたのですが、素材の関係で普通のフルセットのターンになっています。
そこは適宜読み替えていただくと。