2013年2月26日火曜日

スキーブーツR&Dで作ったブーツの特徴 その8

「私の思うR&Dで作ったブーツの特徴などを書いてみようかと思います」の続き。
やっと受け取りの話です。

日程調整をした受取日に白山の事務所行き、受け取ります。
過去のメール(1998年当時)をひっくり返して読んでみると、忙しい時期で徹夜が続いているという山本さんを相手に、最後の枠だったことをいいことに質問攻めにして長居していました。本当にすみません。山本さん。

さっそくできあがったブーツを履きます。
もちろん、靴下も滑るときと同じものを持参して、膝が見えるような格好をしています。今ではシューレースインナーも市販されているので珍しくもない話ですが、当時から初回の足入れの時にはインソールがずれたりインナーにシワが出来ないように、インナーだけをまず履いて、山本さんが開いたシェルに足を入れます。
バックルを締める順番、締め加減などを指導されながらブーツを履いていきます。
特にブーツのタンの位置は滑りへの影響が大きいので、単に真ん中に置くだけじゃなくて足にフィットする場所を探してほしいと言われました。バックルの調整と並んで自分でできる最終調整なので、チューニングだと思ってやってほしいとのことでした。

軽く動いて様子を見ます。

何度か書いていますが、とにかく一発目でびたっとあわせてきます。
足は真っ直ぐ入るし、ブーツのソールが面で床にくっついていることを感じれます。それでもボリューム的にぎりぎりきついところとがあったりするので、ここを調整するのか、それともブーツをはき直すだけで解消するのか、などを確認していきます。
私の過去の例では、いずれも微調整なのでその場で軽く削って完了とか、様子を見ようということで触らないこともありました。

フィッティングの確認が終われば、後は履き方、保管の仕方での注意事項を受けて完了です。私が言われたことがあるもののうち、共通しているのはこんなところです。

■履き方
踵をがんがんするのは、ブーツヒールが傷む割には効果がないのでやらないように言われます。
足入れするときにいったんインナーをブーツから持ち上げて、足を入れることで踵をヒールポケットに落とす、という履き方を習います。

■保管方法
熱をかけると、せっかく変形させたシェルが戻ってしまうので、ヒーターにあてたりしないこと
インナーは湿っていると劣化が早くなるので、毎回取り出して乾燥させること。


さぁ、あとは滑ってみて問題がないかを確認したらブーツ完成です。
長くなったので、ブーツの加工内容自体は次回に書きます。


さて、ここまでで特徴としてはいいことばかりを書いてきましたが、実は山本さんのところでブーツを作るデメリットもあります。それについても書いておきます。
冒頭にも書いたとおり山本さんはかなり忙しく、11月12月は特に混んでいて、30分刻みで人が入れ替わることもあるようです。

何故こんなに混むのかと言えば、お客側が冬が近づかないとやっぱり動かないというのもありますが、平日は山本さんの本業である製品開発の業務が普通にあるので、一般スキーヤー向けの対応は原則として土日のみになるからなんです。
つまり、普通のプロショップのように冬の間は無休で開いているという訳ではありません。それどころか、他の予約で埋まっていたり、イベントや選手のサポートで出かけていたりで、とにかく冬の間は捕まえにくく、仮にブーツの再調整なんかが発生したら大変です。

再調整自体が滅多に発生しないと思うので、結果的に問題ないことが多いのですが、この点は最初から覚悟しておく必要があります。

ということで、スケジュールは余裕を持って決める必要があります。


0 件のコメント: