2021年11月1日月曜日

ニューブーツの計測にいく

前回は動画を見せたり、どんな滑りをしたいのか、等を共有してディスカッションし、ブーツの機種とサイズを選定しました。
今回はその次のステップでブーツを作るための計測をしてきました。
とはいえ、カウンセリングと計測で断絶的な境界線もないので、前回聞き漏れたことの相談というか雑談もしながら進めていきます。
足の大きさを測るのは前回済ませているので、今回はその続きから。
計測では骨格、姿勢のチェックも入るので、自分の腰、股関節、脚の関係もよく見えるようにサイクルパンツを履いていきました。
まぁ、膝から見えればいいみたいなのですが、せっかくやるならわかりやすい服装で臨んでみるかな、ってところです。

3Dカメラで足の写真を撮るのを念入りにやります。6年前からは大きく変わってない感じ。
ブーツ側の三次元データと足の三次元データを比較しながら作業をするそうです。
スキーブーツR&Dは当初からずっと、私が20年前に初めてきて質問攻めにした時からも、計測、設計、制作で数値をベースにやっていたと聞いていたのですが、まさにCAD/CAM/CAEを実践している感じでした。


機械工学科の落ちこぼれだった私としては、技術のすごさはわかるつもりなのですが、いやぁ、どこを目指しているのか(苦笑)
ここまで投資しても自分で使う道具でしかなく、システムとして売るわけでもなく。壮大な趣味?
「こんなに投資してどうするのですか?」
って本人に聞いても、
「誰にも売れないです。買い手がいないから。初期投資も大きいし、工学的な知見もいるし、売る先はないですよ」
と、苦笑い。あながち外してもいないってことみたい。 ただ、ご本人よれば、
「身につけたこの技術は、日本のスキー界があってこそ身についたもの。儲からなくても恩返しなんです」
と使命感もあるそうです。
振り返ってみると、本人の努力があってこそですが、たしかにあの時の日本のスキー界じゃなければ道も開けなかったかなと思います。




おまけ。
最後に私の質問と、山本さんのトークストレートな回答に私がカッコ悪く打ち砕かれたトピックを。

雑談の中で、右手に結構な骨折をした友人のリハビリ計画について山本さんも交えて話していました。
一日でも早く滑りたいと訴える友人に対して、私は、
「もうそこで滑ってもオリンピックで金メダルを取れるわけでもない。しっかり治すことがスキー人生を長くする。手の怪我なんだから後遺症残ったらパソコンもたたけなくて仕事もできなくなるよ。絶対にしっかり治すことが最優先。」
と言い切りました。
山本さんも「その通り。安全に治すことが最優先。」
となりました。

という話の後に、
(私)「今まで150使ってたのでソールが低くなるのが気になります。ボトムアッププレートは入れるべきかどうか相談したい。」
(山)「入れるべきではありません(笑)。かいぞーさん、オリンピックで金メダルとりませんよね。ハードなシチュエーションで滑るならともなく、日本で滑るんですよね。今の身体能力、技術レベルを踏まえるとリスクにしかならない。ボトムアップするリスクをおかして、それをする意味ありますか?」
(私)「そういう意味では150を選んだのももっと冷静になれば違いましたよね?」
(山)「そうですよ。そう説明したじゃないですか。でも、お客さんが履きたいって言ったら履かせますよ。金メダルとるためじゃない。趣味なんだもの。そういう楽しみ方もありです。なんでも効率だけで決めたら楽しめないですよね。たとえ性能・効率の面で違っても、それが本人が選んだ楽しみ方であれば、否定はしません。」
と壮大なブーメランが返ってきました。

ということで、今回はボトムアップもなしで、見た目はノーマルブーツです。

そのほか、アムフィットの話とかいろいろ面白い話を聞きましたが、今回はこのあたりで時間切れ。

さぁ、11/21には受け取りなので、できあがりが楽しみだ。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

相変わらず1時間の枠内で大量の情報収集してますねぇ、性格なのか職業柄なのか?感心しちゃいます。

kz さんのコメント...

匿名さん

コメントありがとうございます。
性格なのか職業柄なのかは私もよくわからないところですが、
山本さんの引き出しがいっぱいあって、何を振っても面白い話が返ってくるという感じですね。
さすが最前線で長く活躍されている方はすごいな、という感じです。