2014年8月8日金曜日

ブーツの硬さを決めるもの

読み直したい記事が載っている分だけを残し、古いスキー雑誌はすべて捨てていたのですが、それでも場所がなくて、読み直したい記事だけをスキャナで取り込み、紙はすべて処分しました。
おかげで本棚はだいぶすっきりしました。

#しかもPDFの連結に失敗していることに気がつきました。
#連結前のファイルは消してしまったのですが、Time Machineで救済できるかな。


スキャンした記事の一つに、スキーブーツにとっての硬さ、という記事があったのでその話を。
元ものと解説は例によってスキーブーツR&Dの山本さんです。


記事の中では、ブーツの硬さを構成する要素には、

「使用するプラスチック素材の物性としての硬さ」
「設計形状による構造体として保持できる強度」
「構造体と素材物性のトータルとしての反発力」

があるとされています。
これは「材料としての硬さ」、「構造としての硬さ」、「それらを合わせたトータルの硬さ」、という話でブーツ設計の要素としてはわかりやすいところです。

しかし、私を含む素人スキーヤーが感じるブーツの硬さを決定する要素には、もう二つばかり大きなものがあると思っています。


一つ目はブーツチューン。

たとえば、(市販の)選手用のブーツ。
ラスト幅が狭く作られているので、足が入るようにするだけでも一苦労です。
しかもそれだけでなく、必要な動きがロスなく伝わるように、そして不要な動きを逃がすために、スイートスポットも狭く作られているため、入っただけではなく足の向きや位置(これらをジオメトリなんていったりします)これがあってないと足首が全く動きません。

なので、ブーツに足を正しい位置と向きにいれることができれば、ブーツは柔らかく感じますが、そうでないと話にならないほど扱いにくいものになると思います。


これは、チューン済みの自分のブーツとチューンしてないブーツでの試乗経験の比較や、チューンに失敗したブーツの経験とも合致します。


二つ目はテクニック。
たとえば、(市販の)選手用のブーツ。
気持ちよく滑るには、その狭いスイートスポットに向けて、正しいタイミングで正しい方向に力をかける必要があります。

ブーツは、動く方向には動く。動かない方向には動かないようにする。という文字にすると当たり前の機能があるのですが、使い方を間違っていると動かない方向に動かそうとすることになるので、反発がすごいことになります。


ということで、(市販の)選手用のブーツは、フレックスの種類がたくさんあったりするので、体格的には一般上級者でも使えるものがあるのですが、ブーツチューンの精度が高くないと使いこなせないという点がハードルになっていると思います。

(市販の)選手用のブーツがカタログに載ってショップにごろごろと転がっていますが、このあたりに気をつけないと非常にもったいないことになりますのでご注意を。


ちなみに私は山本さんに丸投げなので、資金を用意する苦労はありますが、できあがりの品質には苦労していません。よくもまぁ、こんな足にぴったり作れるものだと感心するばかりです。

今のブーツも正しく動けるようになってからはやわらかく感じています。

4 件のコメント:

katsumune Suzuki さんのコメント...

当たり前とも思える事なのですが、概念的にメーカーの言うフレックス数値というようなものを、盲目的に基準にしてますね。
※僕は柔らかい方でですが・・・履いてみればフレックス指数が大きくても、意外に動けるブーツが在リますものね。

kz さんのコメント...

Katsumune Suzuki さん

そうなんです。
ちゃんと足が入れば意外と動けるんですよね。

逆に、足が入ってないせいで壊滅的に動けない人も時々みかけます。

katsumune Suzuki さんのコメント...

時々、ものすごく上手くブーツが履けている事を感じるときが在ります。
常にブーツを履くときは、気は使っていますが、それでもその時の靴下、足のむくみ、タングの位置、バックルの締め具合等・・・・
パーフェクトでいつもよりも、スキーが近く感じるときが在るのですが、どんなに注意して履いてもそう言う状況の再現性は低く・・・
きっと、ちゃんとしたチューンが施されたブーツは、コレが高確立なのだろうと、勝手に思ってます。

kz さんのコメント...

Katsumune Suzuki さん

いわれてみるとその通りかもしれません。
私は履き損なってブーツがうまく動かないことが記憶に残っているので。

インナー取り出してインソール入れ直してタングの位置を丁寧にあわせてはき直すと解決します。
あと、シェルが室温ぐらいに暖まっている方がうまく履けますね。