2013年3月6日水曜日

スキーブーツR&Dで作ったブーツの特徴 その10

「私の思うR&Dで作ったブーツの特徴などを書いてみようかと思います」の続き。

今回は実際に滑ったときの感想を昔のメモから拾って記載してみます。初回の時が一番驚いたので、そのときの話を。1998年です。15年前でスキーも今よりさらに下手だったので今見ると少し恥ずかしいメモですが。

11/1(Sun) 16:00〜18:30
ゲレンデ状況:SSAWS 上級、中級コースともにコブ斜面。雪はザラメ。
ブーツ: R&D  L10 Racing ZI  size 7.5
スキー:97/98 ロシ RNS 193cm

いやぁ、懐かしい。SSAWSです。
ロシのRNS193cmって、私が今持っているGSより長いSLですね。


感想:
舟状骨のあたりはほとんど問題ない。足は間違いなく真っ直ぐ入っている。
体重が踵にどーんと乗っかるという感じがする。
今までのブーツよりスキーの面が平らに雪面に当たっている感じる。

面でとらえているのですごくスキーが簡単になった気がしました。雪の上に立っているときの面積が増えてバランスがとりやすくなった感じです。


真ん中に乗りやすいので、ロングターンは断然楽になっている。

私はロングターンが苦手だったので、「ロングターンが簡単になった」と感激したのでした。


今まで両腿というか両膝をくっつけて滑っていたのが、気がつくとそんな意識をしないで滑れている。
山本さんが、「外反している人はエッジ角を安定させようとして無駄な動きが出やすい」と話していたのに当てはまるのか?

これは当時の考察通り、外反が解消されて動きやすくなったのと、足がまっすぐ入っているので足首を曲げ伸ばししてもエッジ角が変わらなくなったのが主な要因でしょう。3足作った今なら断言できます。


斜面が荒くても、雪面の突き上げが裁きやすい。

これは膝を絞らなくなったので、足のストロークを大きく使えるようになった結果の感覚だと思います。膝を絞ったら関節がロックされてしまいますが、両足を平行にして軽く緊張させておけば足がバネのように勝手に動きます。
山本さんのブーツにしてから、凹凸を無視してロングターンをしたりするのが楽しくなりました。昔は跳ねてしまうので凹凸のある条件を嫌っていましたが、今はたいして気にせず突っ込んでもどうにかなります。深いコブ斜面は私のテクニック的な問題で今でも苦手ですけどね。


ブーツは確実に柔らかくなっている気がする。

これは今まで考えなしに常に一番硬いブーツを履いてたのに、一つフレックスを落としたのでそう感じたと当時は思っていました。でも、足がまっすぐ入っているのでブーツのスイートスポット押せるようになってそう感じたと言う可能性もあり、今となってはよくわかりません。どちらにせよ、R&Dのブーツはよく動くように作られています。
今はいているSTI-RSも硬めのブーツですが、すごくよく動けます。

全体的にぐにゅーという感じで、パーツや関節の意識は無くなっている。

何かがカチカチっとパーツごとに動くような感覚はなく、ブーツが一体化した感じで動いたのが印象的でした。これは今のブーツも同じ。


親指が内側に締め付けられる。小指の付け根が当たる。 
小指の付け根や親指が当たるので、ボシキュウあたりに強く荷重できなかった。
2本すべってブーツを履き直すと、あたりが和らいだ気がする。(痛みに慣れただけ?)

一方、履き方が雑だったりするとしっくりこないし、ソックスも薄いのを想定しているらしく厚めのスポーツソックスとかではボリュームが合わず、しびれてしまいます。当時もハンソンのぺらぺらのソックスとか、とにかく薄いソックスを探して履いていました。今もMICOの薄いソックスを使っています。
3回作って3回とも不思議だったのは、なぜ、1回の計測だけでこれだけギリギリに合わせられるのか?か、ということ。どういう工作精度なんだろうと思わされます。


そのほか、


本当に硬い条件で滑っても平気なのか?
柔らかいブーツはSLとかでタイム出るのか?

など心配しましたが、結局は杞憂でした。
言われてみれば当たり前なのですが、スポーツなので、体が動くブーツ、動けるブーツが一番なんです。

また、このときはわかりませんでしたが、ブーツに力がシンプルに伝わるので滑りからも変な癖が無くなり、この後純粋に上達できたと思います。

その過程で、今までのいろいろな「自分なりのテクニック」とか「小技」が、実は体にあわない道具による影響をカバーするため生み出された本来不要なものだった、なんて発見もありました。

おかげさまで、写真やビデオを見比べると、このころよりも今の方がかなりうまくなっていると思います。
(10年前のビデオを見て、「こういう滑りのやついたなぁ」と苦笑いをしながらみてたら自分でした。下手だったなぁというかうまくなったなぁ、自分。)


このだらだらと書いてしまったテーマも、後は、FAQ的な話を書いておしまいにしようと思います。

6 件のコメント:

KNJ さんのコメント...

R&Dのブーツ加工精度が高い理由の一つ(と推定されるもの)に、測定は手仕事だけど、加工は機械を使っているらしいということが考えられます。

RL11をR&Dで作った時だったでしょうか、いつまでたってもフィッティング日程が決まらないことがありました。靴が手に入らないのかと思って質問したら、靴は手に入っているとのこと、ブーツ加工に使っているステッピングモーターが故障し、その部品が届かないという事でした。

何処を加工するか、どのくらい加工するかと決めるのは手作業ですが、実際に加工する際には、目分量ではなく数値として与えているとのことでした。

さすがに、どういう機械かまでは見せてもらえてませんが。

kz さんのコメント...

今回、昔のメールをあさって読み返したのですが、やっぱりブーツの加工にNC的なアプローチをしているようですね。どんな加工器具なのかは想像もつきませんが。

私:「何故、シダスではなくアムフィットを使うのか?」
山:「実はなんでもいい。最近の成形型のインソールならなんでも同じ。ただ、アムフィットは計測したデータがすぐにパソコンにのせられ、再設計データと統合できるのでこれを選択している」

私:「シダスのインソールは、最後にブーツに入るように余計な部分を切るが、あれはどういう根拠でラインを決めるのか?ショップや作成者によってかなり形が違うように感じる」
山:「実はそこが一番難しい。足型を取るところまではどれでも問題ないが、形をあわせるのは勘になってしまう。R&Dでは、アムフィットからとった数値データと、シェルの設計データから形が計算されて決まる。最後の仕上げ以外は計算で決まるようにしないと、品質を維持して量を作れない。ブーツを変形させた量まで考慮すると、現物合わせで切っていては簡単には形は決まらない。機械のサポートをできるだけ使って、最後の仕上げに勘を織り込むようにしている」

ブーツの設計データと、変形させた後の形もデータ化して持っていると言うことを意味していますが、全メーカー、全モデルなの?と不思議に思ってしまいます。
計測装置を持っているのですかね?

kz さんのコメント...

後半ぐだぐだで、重複のある記載ですみません。そのうち再整理かな。

KNJ さんのコメント...

そうそう、
>一方、履き方が雑だったりするとしっくりこないし、
に関して、先週、感じたことがあります。

暖かい所で履く分にはいいのですが、駐車場など寒いところで、かつ、シェルも証書冷えている時に履くと、あとからはいた方の足のフィッティングが悪いということ。

片側履いた後、ある程度バックルを締めてしまってから反対側を履くと、かなりの確率でそうなります。

おそらく、片側履いてしまった状態だと、踏ん張りが効かなくなって、残った脚の方が上手く入らないのではないかと。(左右逆にしてみても、やっぱりあとからはいた方がフィッティングが悪かった)

少々時間をおいてから、バックルを一旦ゆるめて、もう一度フィッティング取り直せば、大体OKになるのですが。

あと、靴下も履いているうちに、擦れて薄くなってくるので、新しい靴下と古い靴下では、同じモデルであっても締まり方が違いますね。

kz さんのコメント...

寒いところでブーツ履くのは一苦労ですよね。
後から履くブーツがずれるのは、単により寒いところに放置されてさらに硬くなるからかもしれませんよ。

そのほか、私が注意しているのは、インソールがずれないように履くことですね。アムフィットはシダスと違って素材が柔らかいので、気をつけないとずれることがあります。これを放置して滑るとフィーリングが非常に悪いので、特に踵の位置に気をつけて履いています。

katsumune Suzuki さんのコメント...

面白いな〜R&Dネタ。